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タバコの成分と依存症

<タバコの成分>

タバコがやめられないのはよく“習慣になっているからだ”という人がいますが、本当にそうなのでしょうか?もちろん習慣という精神的依存もありますが、単に習慣だけではないのです。それにはたばこの成分が大きく影響しています。成分と一言でいってもたばこの成分は4000種類以上存在しています。その全てについてお話できれば良いのですが、さすがに4000種類ともなると大変です。そこで、タバコの煙の三大有害成分と言われる「タール」「一酸化炭素(CO)」「ニコチン」についてお話します。

◆ニコチン(依存の原因物質)

喫煙を習慣づける依存形成の元凶。ニコチンには幸せを感じるような精神作用をも持っています。これは、コカインなどの薬物と同様の作用です。人がタバコを吸うのはタバコをおいしいと思う原因の一つです。それに加えて頭をすっきりさせたり、落ち着かせたりする効果もあります。ニコチンは吸収が早いのですぐに効果がみられる即効性があります。血管を収縮させる作用があるので高血圧では特に良くありません。 さらに交感神経を刺激する作用があるために、末梢神経が収縮して血流が少なくなる。その結果、血圧が上昇したり、脈拍が早くなって、心臓に負担をかけ、血管の老化を促進させます。
その他にも消化器系では胃の働きを悪くし、それによって食欲不振になったりと、体に様々な影響を及ぼします。
このような成分が「タバコをやめましょう」と言われる原因になっています。(ちなみにニコチン依存性はマリファナなどの法的に禁止されている薬物並みと言われています。)

◆タール(発癌性物質などが含まれる。未知の物質も多く含まれる)

タバコに含まれる粒子分子のうち、フィルターや壁に茶色く付着するヤニのようなものををまとめてタールと呼びます。
油のようにベタベタした粒子で、いろいろな成分をくっつけています。たばこを吸っている人に歯が黄色い方が多いのは、このタールによるものです。
ベタベタしているので喉や肺にもくっつき呼吸器疾患や肺がんの原因となるのです。またタールは4000種類以上の化学物質からできており、その中には数10種類の発ガン物質が含まれています。がんの発生を促す発ガン促進物質や、発生を助ける発ガン補助物質も含んでいます。さらに、シアン類などの物質が、気道の線毛を破壊するため、呼吸器疾患の原因になるともいわれています。尚、普通に食べ物などに火を加えてもタールは発生しますが、これは日常生活に害の無いタールであり、禁煙グッズのたばこなどに使用されることがあります。

◆一酸化炭素(全身へ酸素を運搬するのを阻害します)

COとも表記されます一酸化炭素(CO)は動脈硬化を促進させる原因と言われています。
 本来、赤血球中の血色素は、酸素と結びつくのですが、一酸化炭素は酸素より200倍ものつよい力で血色素と結びついてしまうため、体内は軽い酸欠状態になります。このため、たんに酸素の運搬が妨げられるだけでなく、心臓病の発生を促進すると考えられています。また、これ以外にも血管壁や血小板を傷つけたり、肝臓でのコレステロールの代謝を阻害することにより、動脈硬化を促進させるといわれています。

<ニコチンについて>

ニコチンについて上記で簡単に説明しましたが、ここではニコチンにターゲットを絞り説明していきます。

 まず、煙草には2000種以上もの物質が含まれていますが、その中の主要な物質がニコチンと呼ばれているものです。ニコチンとは、数少ない自然のアルカロイドのうちの一つで、空気にさらされれば褐色となりますが、通常、無色の揮発性、水溶性物質です。

 ちなみにニコチンは劇薬です。しかし煙として口から吸い込むことで、煙に含まれる少量のニコチンしか体内に吸収せず、また、味を味わいながら吸い込むことで、自然に口や喉、鼻で調節され、過剰なニコチンは吸収しないようになっている、とされています。ニコチンはタバコという植物のみにつくられ、それを原料とする限り、いくら軽くてマイルドなタバコでもニコチンは含まれることになります。また、ニコチンはタバコの根の先端でつくられ、葉に貯蔵されます。このため、煙草の木にナスなどを接木した場合、ニコチンを含んだナスが出来ることとなります。このニコチンがタバコのおいしさと関係があると言われているのです。

 ニコチンを摂取することだけが喫煙の目的ではありませんが、それでも、喫煙者は一日あたりのニコチン摂取量がかなり一定化しており、いつも吸っているタバコよりも低いニコチンのタバコに変えると、ニコチン摂取量を補うために吸う本数が増えると言われています。


■ビタミンCとニコチン

 ニコチンが血液中に入ったときには、人間の身体はそれを外敵とみなし、タバコ1本につき、ビタミンCを2~3ミリグラム消耗させ、やっつけようとします。むずかしく言うとビタミンCは、体内の轟性物質を非轟性物質にかえ尿中に排泄する働き、いわゆる解轟作用を持っているのです。喫煙者と、非喫煙者を比較した場合、ビタミンCの血中濃度は明らかに喫煙者のほうが高くなっています。


■ニコチンの効用

 今でこそ、タバコは嗜好品としての座を占めていますが、喫煙にはもともと儀礼的要素やクスリとしての使用方法がありました。たとえば、アメリカ大陸が発見された頃のインディアンの間では、タバコを粉末状にしてそれを鼻の穴に塗ることで、鼻力タルなどの病気を治療していましたし、日本でもタバコの伝来した頃は、万病の霊薬として伝えられ化膿止めなどとしても使用されていました。

 この煙革の効用、これは主要成分であるニコチンによるものだと知られていますが、一体ニコチンにはどのような効用があるのでしょうか。

 タバコを吸うと煙は気管支を通って肺胞にはいり、煙中のニコチンは、口腔粘膜や肺胞の毛細血管より体内に吸収されます。肺から吸収されたニコチンは、その20%ほどが紡7秒後に脳へ、また、肺組織で吸収されなかった大部分のニコチンは心臓へ流れていき、そこから身体中へ流れていきます。このようにしてニコチンは脳や神経に急速に取り込まれることになります。吸収のしやすさは、煙の酸性度に逆比例します。シガレットよりは葉巻やパイプ煙草のほうが一般的に酸性度が低いため、より多くのニコチンが吸収されることとなります。

 さて、短時間で脳に達したニコチンは、脳幹に働き大脳皮質を興奮させ、神経を緊張もしくはリラックスさせるなどの影響を与えます。そうした相反する効用が現れるのは、自律神経自体に、神経を緊張させる交感神経と、リラックスさせる副交感神経という2つの反対の働きをする神経があるためと見られています。交感神経にニコチンが作用した場合、交感神経が興奮し、肺や心臓の活動が活発になるため心臓の拍数は増え、血圧はあがり、また、アドレナリンの分泌がよくなるため、肝臓からエネルギーのもととなる糖が血液中へ放出され、身体のすみずみまで供給されるため、一時的な疲労防止に役立ち、神経を緊張させ、感情を高揚させるようになります。また、逆に副交感神経にニコチンが作用した場合、副交感神経の興奮が起こり、呼吸、心臓の拍数が安らかになり、唾液や胃液が多く出ることにより消化を助けるようになります。つまり、神経が弛緩し、感情を沈静化、リラックスさせる働きをすることになるのです。

■吸い方によるニコチン吸収率
 タバコの煙には、火元から中を通って肺へと吸い込まれる主流煙、タバコの先から立ちのぼる副流煙の2種類があります。主流煙に含まれるニコチン量は、火が口元に近づくほど増えてきています。

 一本のタバコを吸う間に、どれくらいのニコチンが口の中に吸い込まれていくのか実験した人がいます。その結果によると、タバコ(8センチ)の先から1センチまでは2%、その後1センチ刻みで4%、6.5%、9%、そして、5センチまで吸ったときには12%となるとされています。吸い進むにつれ吸い込むニコチンの量がふえ、1センチ吸ったときに比べ5センチ吸ったときではなんと6倍もの差があることがわかります。また、これ以外のニコチンは、熱分解され、また吸殻の刻みやフィルターに保存され、一部は副流煙としてたちのぼり、空気中に拡散されます。

 ニコチンの量が増えてくるにつれ、当然味も変わってきます。フィルター近くまで吸った一服のあと、改めて新しいタバコに火を付けて吸い始めると味の違いに気づくはずです。ちなみに一般においしいと考えられているのは、先端から3分の1ほどまでらしいです。

 喫煙時の体内へのニコチンの吸収量は、吸い込み方の強さ、深さで違ってきます。たとえば、3センチまふかす程度にかるい吸い方をしたときと、5センチほどまで胸深く吸った時とでは、体内に吸収されるニコチン量は20~30倍もの差が出てきます。ニコチンの量が気になる人は、先端から3分の1程までを軽く吸うのが賢明でしょう。

 

<タバコへの依存>

タバコの害なんて聞き飽きた、耳にタコが出来るほど聞いている!という方も多いでしょうし、「タバコを吸うと頭がすっきりする」とか「気持ちが落ち着く」「集中できる」という方も多いでしょう。
自分には必要なんだ、とおっしゃる方も少なくありません。しかし、それが既にタバコの罠にはまっていることになるのです。

依存症とは・・・
・ある習慣への脅迫的な執着
・好んでその習慣を繰り返すうちに、陶酔を感じるように なって習慣の維持そのものが目的となっていくこと。
・自分の意志ではブレーキをかけることができなくなり、 コントロール不能な事態に陥ること。

と、定義されています。

これをたばこ依存症に置き換えると下記のようになります。

・喫煙の開始、終了をコントロールできない。(無意識に吸っている)

・喫煙したい要求が強く、脅迫感となる。

・喫煙量のコントロールが難しくなる。

・耐性がつくことによって、喫煙量が増加していく。

・健康上の問題が出ても、依然として喫煙する。

ではなぜこのようになってしまうのでしょうか?タバコがやめられない理由つまりタバコへの依存症に陥る原因として、「身体的依存」と「心理的依存」があると言われています。

◆身体的依存(ニコチン中毒)
ニコチンによる薬物依存症のひとつ。
・喫煙を続けていると脳に変化が起こり、今度は喫煙していないと調子が悪くなります。

・ニコチンは即効性の高く、肺から血液中に入り、数秒で脳に達し、心拍が早まり、アドレナリン分泌が増加され脳が覚醒状態になります。しかし、この効果は30分程度で無くなり、今度は物足りなくなります。そしてまたニコチンによる脳の覚醒作用を求めて吸いたくなるのです。
・ニコチンは体に血液中のニコチン濃度を常に一定に保つように強要します。その為、禁煙しようとすると「離脱症状」が起こり、苦しい・イライラする・手がしびれるなどの症状を起こし、ニコチンを摂取させようとします。
・ニコチンの依存性は非常に強くヘロインやコカイン以上ともと言われます。「意志が弱い」から禁煙できないのではなく、この強い依存性のため禁煙が難しいのです。

◆心理的依存
特に吸いたい気持ちが無いのに、手持ちぶさたな時に何となく火をつけてしまう。タバコを吸えば落ちつけるという習慣(心理的依存、くせ)
・心理的依存とは喫煙年数が長く、生活習慣になってしまっているために起こります。いつも当然のように行っていたことが突然出来なくなると、寂しくなったり、そのことしか考えられなくなったりします。
・ストレス解消の為に喫煙するのが習慣になってしまうと、ストレス解消方法としてとても手軽なため、喫煙以外のストレス解消方法をしなくなって(忘れて)しまいます。その為、少しのストレスでも喫煙によって解消したくなってしまいます

  
 仕事や私生活でイライラしたり、落ち着かない時、たばこを吸ってしまうのはなぜでしょう?
酒の席で皆でお酒を飲んでいるだけで楽しいはずなのに、たばこを吸ってしまうのはなぜでしょう?
食後、十分に満腹で満足なのに物足りなさを感じて、たばこを吸ってしまうのはなぜでしょう?
子どもの頃はどうでしたか?イライラしているときでも食後でもたばこをすわなくてもOKでしたよね。
どうしてたばこなしではいられなくなってしまったのでしょうか?

実は喫煙者はたばこなしでは、幸せを感じにくくなっているのです!!喫煙者はたばこを常習的に吸うことで、脳波の中のα波(リラックス、癒しの効果、調子がいい、心地よいと感じて時に出る脳波)が低下しやすく、幸せを感じにくくなっています。それを補うためにたばこを吸い、脳波をもとに戻そうとするのです。それがたばこを吸うとスッキリしたとか集中力が増したという感覚になります。
 
そして、そのスッキリした感覚が鮮明に頭の中に焼きつき、あたかもすべてのストレスにたばこが効くという錯覚に陥ってしまうのです。

たばこ依存症になると、このような症状がでます。


たばこは、麻薬や覚せい剤と比べて肉体的な中毒症状は弱いものです。ですから、いつでもやめられると思いがち。ですが、禁煙したことのある方はおわかりでしょうが、精神的な依存はかなり強いものがあります。肉体的な禁断症状は、手の震え、頭痛、眠気、頭がボーっとするというような症状です。ですが、どれもそれほど強いものではありません。

しかし、禁煙をはじめると、イライラします。喫煙者のほとんどがタバコをやめたいと思っているのに、禁煙出来ない。または禁煙しても、50~75%が1年以内にまた吸ってしまうというのが現状のようです。